航空券に関する用語 (1) 乗継と経路

航空券に関連する用語は一度きちんと理解しないといつまでも曖昧なままです。
海外旅行の際に実際に使う重要なものは限られるため、頻出用語を整理しておきたいと思います。
今回は乗継および経路に関してです。

【目次】
1. 航空券の乗継に関する用語
2. 航空券の経路に関する用語

1. 航空券の乗継に関する用語

それぞれの用語の語感が似ているため曖昧になりやすい部分ですが、旅程設計や航空券の費用にも関わる事項です。
乗り継ぎをうまく利用することが、周遊ではポイントになることが多いです。

・乗り換え
言葉の通り、目的地へ向かう際に別の飛行機に乗り換えることを指し、次項の乗り継ぎと途中降機を含めた言葉です。
但し、狭義には乗り継ぎのみを指すこともあります。

・乗り継ぎ
経由地での滞在が24時間未満となる乗り換えを、特に区別して乗り継ぎと言います。
滞在が24時間未満かどうかでの判断であるため、たとえば経由地着が夕方18時で経由地発が翌日の夕方17時半であるような宿泊を伴う場合でも乗り継ぎとなります。

・途中降機(ストップオーバー)
経由地での滞在が24時間以上となる乗り換えを、特に区別して途中降機と言います。
途中降機は別途料金がかかることも多いため、滞在はしたいけれども見どころ自体は多くない都市は観光に都合のいい時間帯で乗り継ぎ扱いになるような旅程設計をすることがポイントになります。

・最小乗継時間(Minimum Connecting Time:MCT)
乗り換えの際、航空機を降りた後は後続便の搭乗をすることになります。
その場合に必要とされる規定時間のことで、国内線か国際線か、どの空港か、どの航空会社かなどいくつかの要因によって決まります。
航空券を通しで買う場合、途中の乗り換え地点ではMCTを満たさない便を選択することはできません。

2.  航空券の経路に関する用語

複数の目的地を周遊する経路を考える際、必ずしも飛行機だけが移動手段ではありません。
費用などの観点から飛行機以外の交通手段を検討する際に理解しておくべき用語をいくつか挙げます。

・往復
往路出発地点と復路帰着地点が同一かつ旅行先の往路到着地点と復路出発地点も同一である経路です。
経路は完全に閉じています。
たとえば、往路が東京~ソウル、復路がソウル~東京となる経路が往復です。
このようなどこも乗り換えをしない経路を特に、単純往復と呼ぶこともあります。

往路や復路でどこかで乗り換えが発生しても、往路出発地点と復路帰着地点が同一かつ旅行先の往路到着地点と復路出発地点が同一であれば往復の旅程です。
たとえば、往路が東京~プラハ~ウィーン、復路がウィーン~ブリュッセル~東京という旅程は往復になります。
やや細かいですが、往路と復路で運賃が異なる場合を特に周回と呼ぶことがあります。

・シングルオープンジョー
閉じたルートを描く往復に対し、出発地点または目的地で連続性がない経路を指します。
ある目的地に対して往路出発地点と復路帰着地点が異なる経路がシングルオープンジョーになります。
例として、往路が東京~北京、復路が北京~名古屋とする経路が該当します。

なお、往路出発地点と復路帰着地点が同一であるものの、目的地の往路到着地点と復路出発地点が異なる経路もシングルオープンジョーです。
たとえば、往路が東京~シンガポール、復路がバンコク~東京となる経路が該当します。

まるで顎(Jaw)を開けたような経路になっていることが、オープンジョーという用語の由来です。
この航空券上では、シンガポール~バンコク間はサーフィス(地上移動)という扱いになりますが、あくまでこの航空券上の扱いであって実際に陸上移動をしなければならないという制約はありません。
つまり、シンガポール~バンコク間で別の航空券を買うことは何ら問題はありません。

・ダブルオープンジョー
オープンジョーが経路の両端で発生する場合です。
往路が東京~シンガポール、復路がバンコク~大阪の経路などが該当します。
個人的には、もはやジョーでもなんでもない気がするのですが、慣例としてそのように呼びます。

以上が、海外旅行をする際に最低限は知っておきたい航空券の乗り継ぎおよび経路に関する用語となります。
クラスおよび運賃に着いてはこちらで紹介しています。

実践の場では、乗り換えやオープンジョーの地点を変えて、旅程や費用の観点で最も都合の良い旅程を模索していくことになります。

 

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