北朝鮮旅行記 (2) 平壌観光とマスゲームの練習風景(2018年7月)

前回は、中国国境の街 丹東から平壌までの移動と初日の夜の様子を紹介しました。
今回からは平壌観光の紹介です。

【目次】
1.  万寿台と金正日広場のマスゲーム練習
2.  新聞購入と人民大学習室

1. 万寿台と金正日広場のマスゲーム練習

7月14日(土)、7時頃に起きた。
ホテルの2階にある食事場所に向かうためにエレベーターに乗った。
天気は非常によく平壌にしてはかなり暑いようだが、それでも日本の40℃近い今年の夏に比べればはるかにましな33℃程度。

途中、海外観光客が泊まる高層階ではない中層階にエレベーターが止まった。
明らかに内装が異なって非常にシンプルなつくりであり、おそらく国内観光客向けなのだろう。
エレベーターホールでこれなのだから、部屋の中もさぞかし違うものと思われる。

朝食は昨日のレストランの夕食にもまして非常に質素。
トマト、きゅうり、春雨、卵など。
健康的と言えば健康的だが、欧州主体の観光略からすると物足りないと思われる。

朝食ホールの横には中国国際航空のオフィス。
ただ、中はすっかり撤去されており、今は全く機能していない。
中国国際便は北京から平壌まで週3便運行しているらしい(2018年7月時点)。

朝9時にホテルのロビーに集合し、まずはバスで万寿台にある金日成・金正日像に向かった。
向かう途中、ところどころで隊列を組んで赤い旗を道路に向けて振っている女性の集団が見られた。
ガイドによると、出勤する夫や学校に向かう子供たちを応援するために『自発的に』主婦が行っていることらしい。

万寿台の駐車場で降りるとすぐに献花用の花が売られており、小さい花EUR2から大きい花EUR10まで何種類かある。
強制ではなく希望者のみが買うが、集合時間を間違えたメンバーとガイドなど約5人くらいが買った。

5分ほど緩やかな坂を歩くと、金日成・金正日像が見えてきた。
いきなり写真を撮るなどの行為は許されず、まずは一列に横に並んで献花をした。
その後、全員でタイミングを合わせて一礼し、頭をあげてから自由行動ができるようになる。
これら一連の行動は、像の近くにいる北朝鮮兵士により監視されている。

この時点で写真撮影は自由になるが、像を撮る際には全体が大きく映ることや、像と一緒に撮る際には『敬意を持っていないポーズ』は控えなくてはならないとガイドから念を押される。
具体的には、像と同じポーズはもってのほかで、ピースサインなどもしてはならない。

もとは1972年に完成した金日成の像だけだったが、2011年に金正日が死去した翌年に金正日の像も並べられた。
金正日の像は、『限りある予算は経済政策等に回さず優先的に像を作ってほしいという、人民の意志』により、作られたものらしい。

ここでは、現地で商売をしているカメラマンに集合写真を撮ってもらい、買うこともできる。
RMB50(約850円)は希少性を考えると迷うことなく買いだが、画質はあまりよくなかった。

両者の像を左右から囲む大記念塔は抗日革命からの独立を表現しているという。
これらの膨大な群像などは全て、品質を担保するために政府が承認した特定の美術製作所で作られているそうだ。

像には現地の方々も多く訪れる。
我々の後にもいくつかの集団が献花と礼をしていた。
平壌では、新婚の夫婦は真っ先にこの像に来て結婚の報告をして献花をするという習慣があるのだそうだ。

バスに戻り、続いて金日成広場に向かった。
よく報道で目にする平壌最大の広場。
2018年9月には建国70周年を記念たマスゲームが開かれることになっており、中学生くらいと思われる生徒たちが練習をしていた。

マスゲームは頻繁に行われているイメージがあるが、決してそんなことはなく、9月に行われるマスゲームは5年ぶりだという。
前回は建国65周年を記念して2013年に行われた。
従って、練習を目にできる機会も多くはなく、西洋人ガイドも『見られるのは珍しい』というようなことを言っていた。

2.  新聞購入と人民大学習室

金日成広場の近くには、外国人観光客に向けた本屋がある。
金日成や金正日の逸話集・名言集だけではなく、版画や新聞なども売られている。
特に逸話集や名言集は英語だけではなくスペイン語や中国語、韓国語などいくつかの言語に翻訳されていた。

せっかくなので、金日成の逸話集と金正日の名言集を買った。
日本語への翻訳版があったため。
合計4冊と北朝鮮国旗のピンバッジ2つでRMB96(約1,600円)。

後に行った現地スーパーではKPW900(約11円)であることを考えると非常に高価なのだが、金日成逸話集の1ページ目に『腸チフスと言っても人の体に生じるなのだからいくらでも払いのけることができる。ウイルスよりも人が強いのが当たり前であって、ウイルスが火トロイも強いということがあってはならない』という記載を見て買うことを決めた。

2018年5月の南北首脳会談と、2018年6月の米朝首脳会談を報じる新聞も売られている。
金正恩には折り目がつかないような折り方がされており、2つでRMB26(約430円)。
新聞を買う場合は、とにかくしわにならないように注意するようガイドからかなり口すっぱく釘を刺された。
そのこともあってか、観光客のうちで新聞を買ったのは自分だけだった。

再びマスゲームの練習の脇を通ってバスに戻った。
日本ほどではないにしても炎天下の中で何時間も練習に借り出され、水分補給もトイレもままならないのは本当に大変だと思う。

続いて向かったのは人民大学習室。
金日成の発案によって1982年に完成した図書館であり、図書館や資料室を兼ねた北朝鮮における知の中枢とされている。

中には昔懐かしい貸し出しカードを保管する棚がある。
デジタル化が十分に進んでおらず、現在でも運用がされているらしい。

ほんの貸し出しカウンターでは端末が稼動しているが、システム構築が不十分なために貸し出しカードが残っているのだろう。
貸し出しの本は後ろの部屋から、小さいカートを通してカウンターに送り出されてくる。

視聴覚室には音楽のCDとカセットテープが置かれていたが、その数は決して多くない。
再生もラジカセで、もはや日本では見ることがなくなったような機材が今も現役で使われていた。

ビデオテープの再生もできるが、機材はブラウン管テレビ。
やはり設備的にはかなり前の世代のものが使われている。

日本では、これだけの数のブラウン管テレビを見ることは難しいだろう。

人民大学習室の屋上からは、金日成広場が見渡せる。
日も高く上ってきて暑くなっているが、相変わらずマスゲームに向けた練習が続いていた。

 

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