世界遺産紹介 (5) キナバル自然公園

世界遺産は1,000件を越え、『顕著な普遍的な価値』があると認められた人類共通の遺産です。
その中から、自分が訪れた遺産をご紹介します。

今回はキナバル自然公園です。
東京や関西から最寄りのコタキナバルまでは直行便が出ており、キナバル山は比較駅手軽な4,000m峰として知られます。
移動日を含めても日本から3泊4日程度で行くことができます。

【目次】
1. 遺産の概要
2. 遺産までの行き方
3. ギャラリー

1. 遺産の概要

遺産名 :Kinabalu Park(キナバル自然公園)
登録年 :2000年
保有国 :マレーシア
遺産区分:自然遺産
登録基準:(ⅸ)生態系、(ⅹ)生物多様性

2. 遺産までの行き方

東京もしくは大阪からなど、多くの空港からコタキナバルまでの直行便がでています。

同じマレーシア内ということで、クアラルンプールから行くという選択肢もあります。

コタキナバルの市街地からキナバル山までは約100km、車で2時間ほどです。

3. ギャラリー

旅行者はまず、標高約1,560mの公園本部に到着します。
キナバルは1日の受け入れ人数が決まっており、通常は事前にツアーなどの申し込みをしていると思います。
まずはここでキナバルの入場カードを受け取ります。

そこからは車で10分程度の登山口で Timpohon Gate(ティンポホンゲート)に向かい、入場カードを見せて中に入ると登山開始です。
ゲートは標高約1,870mで、しばらくは雲霧林が続きます。
また、ゲートからは2~3kmおきくらいに屋根つきの簡易休憩場所があり、足を休めたり持ち込んだ軽食をとることができます。

キナバルには多様な動植物が生息しており、その点が評価されて世界遺産に登録されています。
世界最大の花  ラフレシアは特に有名で、全10数種のうちの2種がキナバル自然公園に自生しています。
食虫植物のウツボカズラも約15種ほどを見ることができます。
人の顔くらいの大きさにまで成長します。

標高3,300m弱の地点には食事施設や宿泊施設があります。
自身が泊まったPendant Hut(ペンダント小屋)は入り口から約6kmにあり、Via Ferrata(ヴィア フェラータ)の参加者が泊まるための専用宿泊施設です。
ヴィア フェラータはイタリア語で『鉄の道』を意味し、岩に打ち付けられた杭とワイヤーに命綱を通して進むアクティビティです。
ペンダント小屋では参加に当たっての説明も夜に行われます。

小屋に宿泊し、翌日は深夜に出発して山頂を目指します。
3,500m以上の高所は森林限界を突破するため、花崗岩がむき出しの岩肌となります。
山頂近くには日の出前に到着しますが、視界をさえぎる植物がないため、美しい日の出を見ることができます。

頂上のローズピークは富士山よりも300m以上高い標高4,095mで、約0.6気圧です。
意識的な深呼吸を繰り返し、高山病を予防しながらゆっくりと登りました。
下りの際には、まだ浅い角度の太陽が作るキナバル山の壮大な陰が地表に映っている様子が見えました。

キナバル山の写真で最も有名なものがサウスピークの写真でしょう。
標高は3,933mで、ローズピークに比べると低いものの、映える光景であるために旅行会社のパンフレットなどで好んで使われています。

自身がキナバル山を訪問したのは2015年5月ですが翌月には大地震に見舞われ、現在では一部の岩などが崩れ、日本人を含めた10名の登山者が落石などで亡くなりました。
崩落で景観が変わっている場所もありますが、幸いにして、サウスピークには影響はありません。

下りのヴィア フェラータ開始地点は富士山と同じく3,776mの高さです。
キナバル山のヴィア フェラータはアジア初というだけではなく、世界最高所に設置されているものとして知られ、ショートとロングの2コースがあります。

ゲートから標高差2,200m以上ある山頂まで、往復距離20kmを走るキナバルマラソンも開かれており、優勝者は2時間半程度で往復してしまうのだそうです。
富士山の次のステップとして人気の高い山で国内からも近く、短期間に変わる植物分布も非常に面白い場所です。

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