世界遺産紹介 (17) ナミブ砂漠

世界遺産は1,000件を越え、『顕著な普遍的な価値』があると認められた人類共通の遺産です。
その中から、自分が訪れた遺産をご紹介します。

今回はナミブ砂漠です。
鉄分豊富で他の砂漠よりも赤みがかった砂が美しく、アフリカ南部で最も訪れるべき場所のうちの1つだと思います。

【目次】
1. 遺産の概要
2. 遺産までの行き方
3. ギャラリー

1. 遺産の概要

遺産名 :Namib Sand Sea(ナミブ砂漠)
登録年 :2013年
保有国 :ナミビア
遺産区分:自然遺産
登録基準:(ⅶ)優れた自然美、(ⅷ)地球の歴史の主要段階を示す見本、(ⅸ)生態系、(ⅹ)生物多様性

2. 遺産までの行き方

まずは日本から香港に向かいます。
LCC含め便も多く、香港まで飛ぶのには苦労しません。

香港からは南アフリカのヨハネスブルグまで飛びます。
まずはヨハネスブルクに行くことが重要ですが、日本からはバンコク経由やドバイ経由も良いでしょう。

ヨハネスブルクから更に、ナミビアの首都ウィントホック(ウィントフック)まで2時間程度のフライトです。
ここまで来るだけでも少し大変ですね。

ウィントホックからはツアー利用が一般的です。
南下の過程で南回帰線を陸路で超え、ソッサスフレイのデューン45やデッドフレイを目指します。

3. ギャラリー

ナミブ砂漠はナミビア南部のナミブ・ナウクルフト国立公園の一部です。
この国立公園はナミブ砂漠だけではなく、ナウクルフト山を中心とする一帯を含んでいます。

観光で訪れると、首都のウィントホックもしくは大西洋岸のスワコップムントやワルビスベイからツアー車で来ることになります。
そのいずれからでも移動時間は4~5時間ほどかかりますので、初日はナミブ砂漠そのものに行くのではなく手前の村であるセスリム(セスリウム)に泊まるケースが多いと思います。

完全な砂漠とは異なる景色ながらも、セスリムにも絶景が広がります。
セスリムの各宿泊施設では、夕方以降に周辺の草原を回ってくれるツアーを催行しています。
自身が行った2011年には、自分達以外の宿泊客は全員ドイツ人ツアーの団体客でした。

日が暮れてくると、草原の表情が変わります。
自分は『油絵』のような色合いだと感じました。
ツアーのジープは高台で停車し、ワインやチーズが振る舞われました。

更に時間が経過すると、完全な夕暮れを向かえます。
日本ではなかなか見ることができない色合いの中に木が1本だけという特徴的な光景でした。
なお、足元には2cmくらいはあろうかという大きな蟻がたくさんいます。

完全に日が落ちると、今度は素晴らしい星空を見ることができます。
砂漠に近いために明かりがほとんどない上、空気も乾燥していて星明りの吸収や散乱が少ないため、多くの星が見えるのです。
遠くには稲妻も頻繁に光っていて、満天の星空と稲妻を同時に見るという貴重な経験ができました。

セスリムからソッサスフレイのナミブ砂漠の入口までは車で1時間ほどです。
朝5時に開くゲートの前には既に数台の車が停まっています。

砂漠内では、まずはデューン45を目指すことになります。
これは、ゲートから約50kmの位置にあり、観光客が徒歩で登ることができる砂丘です。
ナミブ砂漠にはたくさんの砂丘があるのですが、登ることが許されているものはほとんどありません。
そのため、デューン45には観光客が多く集まります。

デューン45の少し手前は、砂丘ではなく比較的平坦な乾いた大地になっているため、直近まで車でアクセスできます。
一方で、砂丘が数限りなく続いているイメージを持っていると、この時点では少し違うように感じられるかもしれません。

しかし、デューン45を登頂して高台から奥を眺めると、広大な砂山の一群が果てしなく広がっている様子を目にすることができます。
ナミブ砂漠のアプリコット色の砂は、酸化鉄によるものです。

代表的な海岸砂漠であるナミブ砂漠は、約8000万年前にできた世界最古の砂漠です。
アフリカ大陸から大西洋に流れ出た土砂が波や風で陸に戻され、その際に砂に含まれる鉄分の酸化が進んだために特徴的な砂の色になりました。

自身はスニーカーで登りましたが、砂が入り込んでしまい、いくら落としても砂が次から次に出てきます。
抵抗が無ければ裸足で登ったほうが良いでしょう。

ソッサスフレイの奥には、デッドフレイと呼ばれる干上がった湖があります。
途中まではツアーのドライバーが運転する車で行けますが、途中からは公園管理局が運行する有料車か徒歩のみしか許可されていません。
歩いて20分くらいの距離なので無理ではありませんが、非常に暑いので車に乗ってしまうことをお勧めします。

デッドフレイは、およそ1000年前までは水をたたえていたとされます。
その頃には木も生えていたのですが、水の干上がりとともに木も枯れてしまいました。
枯れた木は、水分量が極端に少ない砂漠の環境下で朽ち果てることなく姿を残し、現在ではナミブ砂漠の大きな見所となっています。

サン族の言葉で『何もない』を意味するナミビアですが、他では見ることができない美しい砂漠があります。
砂漠までの道中の景色も素晴らしく、長い移動も含めて楽しむことができるはずです。

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