世界遺産紹介 (27) ベリーズ・バリア・リーフ自然保護区
世界遺産は1,000件を越え、『顕著な普遍的な価値』があると認められた人類共通の遺産です。
その中から、自分が訪れた遺産をご紹介します。
今回はベリーズ・バリア・リーフ自然保護区です。
珊瑚礁の一部には世界各所にあるブルーホールの中でも最も巨大なものがあり、それゆえにグレート・ブルーホールと呼ばれています。
【目次】
1. 遺産の概要
2. 遺産までの行き方
3. ギャラリー
1. 遺産の概要
遺産名 :Belize Barrier Reef Reserve System(ベリーズ・バリア・リーフ自然保護区)
登録年 :1996年
保有国 :ベリーズ
遺産区分:自然遺産
登録基準:(ⅶ)優れた自然美、(ⅸ)生態系、(ⅹ)生物多様性
2. 遺産までの行き方
まずは日本の主要空港からアメリカの東部や中部に向かいます。
日本からのアクセスやその後の乗り継ぎを考えると、テキサスやマイアミがお勧めです。
アメリカのカリブ海側の都市からベリーズシティまで飛びましょう。
カリブ海を横断して2時間ほどです。
ベリーズ・バリア・リーフ自然保護区を空から見ようとする場合、到着したベリーズシティの国際空港からではなく違う空港からセスナが出ます。
Tropic Airが就航している市立空港まで行く必要があります。
3 ギャラリー
グレート・ブルー・ホールの全体像を眺めるには、セスナが良い経験になります。
チケットを個別に取るというよりは、ホテルからの往復送迎含めたツアーに参加することが一般的だと思います。
セスナが出発する市立空港はベリーズシティの北部にあり、小規模な空港です。
セスナで飛び立つと、バリアリーフや島々が目に入ります。
浅い水路であるチャンネルを超えながら、期待が膨らみます。
更に外洋に進むと、リーフのエッジに出ます。
浅い海に広がる珊瑚礁から濃い色へと変わるドロップオフは急激に海が深くなる場所です。
こういった浅い珊瑚礁が沖からの波を砕いて防波堤の役割をすることが、バリアリーフと呼ばれる所以になります。
一般に波高は水深の逆数の4乗根に比例するため、水深が突然浅くなると急に波高が高くなるために波がその形を保てずに砕けるということです。
理想的には、水深が1/16になると波高は2倍になります。
出発から20分ほどでブルーホールの上空に着きました。
船の大きさからブルーホールの大きさが伺い知れますが、実際に直径300mを超える巨大な穴です。
『海の怪物の寝床』と呼ばれるだけあって、美しさと同時に恐怖すら感じる光景ですね。
ベリーズ・バリア・リーフはオーストラリア北東沖のグレート・バリア・リーフに次いで世界2位の大きさを持つ珊瑚礁です。
その景観の美しさだけではなく、絶滅に瀕したマナティや海亀などが住んでいることも世界遺産の価値として認められています。
2009年には観光開発が過度に進んだり近隣での石油掘削計画などによる悪影響が懸念されるとして、『危機にさらされた世界遺産リスト』に登録されてしまいました。
対策として2016年に管理計画が打ち出され、その結果として2018年には危機遺産リストから脱したという経緯を持ちます。
せっかくのブルーホールですから、晴れた時に見たいものです。
日本の盆休前後の1~2ヶ月は雨季に当たるだけではなく、ハリケーンの時期とも重なります。
一方で年末年始の時期は乾季に当たるため、晴れたブルーホールが見られる確率は相対的に高いものと思います。