社会人の海外旅行 設計事例(ブラジル・ガイアナ・スリナム・フランス領ギアナ) (1)

ガイアナ・スリナム・フランス領ギアナはギアナ3国と呼ばれ、南米の北部に位置し、カリブ海に面しています。
日本人にとっては、『スタンプラリーのために行く』と言われることもある観光客の少ないエリアです。

一方で見どころ豊富なブラジルに面していることは利点であり、セットで行くという選択肢が取りえます。
自身の2019年盆のプラニングを事例に、旅程設計上の注意点の要旨を記録化しておこうと思います。

【目次】
1. 運行曜日の調査が不十分(旅程パターンA)
2. 単純往復を検討(旅程パターンB)

1. 運行曜日の調査が不十分(旅程パターンA)

来年盆のカレンダー的に、8月10日(土)~8月18日(日)の9連休が想定されるため、とりあえず前後に1日ずつの有給をつけた8月9日(金)~8月19日(月)の11連休を前提に旅程を組んでみます。
目的地はレンソイス・マラニャンセス国立公園の拠点となるブラジルのサンルイスと、ギアナ3国(ガイアナ・スリナム・フランス領ギアナ)です。

分割や通しなど過去の旅程設計事例の留意点を念頭に、最適化を考えていきます。

結果、一定水準最適化できた旅程が下記です。
『一定水準』としているのは、ギアナ3国のうちのフランス領ギアナには行けていないためです。

以降、旅程表に記載された金額はSkyscannerの2018年9月16日時点の検索結果によります。

この旅の最大の目的地がレンソイス・マラニャンセス国立公園なので、日程に遅れが出ても挽回可能なよう序盤に入れてしまいます。
終盤に入れてしまうと、それまでの旅程に何らか遅れが出た場合に連鎖的に遅れが膨らみ、日程の限られるサラリーマンの旅行では目前にして諦めざるを得ない場合が想定されるためです。

例えば搭乗予定便が欠航になって翌日の便に振り替えられたとします。
大慌てで全後続便の搭乗を1日後ろにずらそうとしても、全てにうまく空きがあるとは限りません。
どこかの便は2日後でないと空きがないなどの場合、それ以降の後続便は再々確認が必要になります。
まさに負の複利ですね。
よって、優先度の高い場所は旅程の中でも早めに消化しておくのが良いと考えています。

今回の旅程の肝になる、ブラジルからギアナ3国への移動部分を抜粋すると下記のようになります。
サンルイス~レシフェ~サルヴァドール~サンパウロ~パナマシティ~マイアミ~ジョージタウンという途方もないルートです。

サルヴァドールは16世紀のポルトガル領ブラジル時代に最初の首都になったという都市で、観光目的に敢えて立ち寄っている側面はあります。
しかし、その後のサンパウロ~パナマシティ~マイアミ~ジョージタウンというルートは否応無しの遠回りです。
それでも時間と費用を考えると、完全に納得はできないながらもこの時点ではバランスが取れたルートとなります。

費用が上がることを厭わないのであれば、サンパウロ~パナマシティ~マイアミ~ジョージタウンという約9.7万円の旅程を、マイアミ経由を排したサンパウロ~パナマシティ~ジョージタウンという約13.8万円の旅程に振り替えることは可能で、この場合は約4.1万円のアップとなります。
但し、もともと8月14日の22時前だったジョージタウン着が約8時間繰り上がって14時過ぎになるに過ぎません。
14時過ぎに到着したところでできることは限られますから、その8時間のために約4.1万円を出せるかというと難しいでしょう。

そもそも、ブラジルからギアナ3国に行くのにこのような大回りをしなければいけなくなった背景が、ブラジルから直接ギアナ3国に入ることのできる便の曜日が限定的で、それに合わせた休みが検討できていなかったためです。
その点を調整することで旅程は大幅に改善することとなります。

他の方面でも通用する汎用的な考え方ですので、後述します。

2. 単純往復を検討(旅程パターンB)

先ほどのパターンAは南米までの往路はサンパウロ着、復路はニューヨーク発のオープンジョーにしていました。
実はこの点もかなり重要で、『目的地はブラジルとギアナ3国という近接エリアだから、南米までの航空券はサンパウロの単純往復を買っておけば何とかなるだろう』と判断すると、日程が限られるサラリーマン旅行では痛い目を見ます。

例えば、サンパウロ単純往復で検索すると下記のようなルフトハンザ便が出てきて、旅程パターンAの航空券①であるサンパウロ着・ニューヨーク発の約21.6万円よりも安い約20.1万円になります。
その上、サンパウロ着時間も旅程パターンAよりも約1時間早くなるという点から魅力的に見えます。
1時間早まったところで影響はたいしたことがないように思えますが、この場合はその後に飛行機での移動もあることもあり、早く着いて安心できるに越したことはありません。

しかし、このルフトハンザ便をベースに旅程を作ろうとしてもうまくいきません。
ブラジルからギアナ3国まで行くのに苦労する点は旅程パターンAと同じですし、日本に帰るためにはギアナ3国の周遊を終えた後に再びサンパウロに戻ってこなくてはなりません。

今回は旅程パターンAの次に旅程パターンBを見ていっていますが、現実的にはまず安いサンパウロ往復航空券をベースにした旅程パターンBをベースに考えてしまうケースが多いと思います。
その場合、何とか旅程を組もうと思うものの挫折し、その後旅程パターンAのオープンジョーを検討するという手戻りが発生することになります。
現に今回の自分がそうで、入口を間違えると大変なことになるという実例でした。

次回は、こういった罠に陥らないために重要となる点を考えたいと思います。

 

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