世界遺産紹介 (10) コトル地方の歴史的建造物と自然

世界遺産は1,000件を越え、『顕著な普遍的な価値』があると認められた人類共通の遺産です。
その中から、自分が訪れた遺産をご紹介します。

今回はコトル地方の歴史的建造物と自然です。
ユーゴスラビアから分かれた国のうちの1つであるモンテネグロに位置し、入江と山に囲まれた旧市街が美しい場所です。

【目次】
1. 遺産の概要
2. 遺産までの行き方
3. ギャラリー

1. 遺産の概要

遺産名 :Natural and Culturo-Historical Region of Kotor(コトル地方の歴史的建造物と自然)
登録年 :1979年
保有国 :モンテネグロ
遺産区分:文化遺産
登録基準:(ⅰ)人類の傑作、(ⅱ)価値観の交流、(ⅲ)文化的伝統・文明の証拠、(ⅳ)人類史上代表的段階の建築・技術や景観


2. 遺産までの行き方

まずは日本各地からローマやミラノ、ヴェネツィアなどイタリアの大都市に向かいます。
クロアチアの首都ザグレブへ飛ぶルートもありますが、そもそもザグレブ自体に行くまでに乗換が必要になるので、あまりお勧めできません。

更に、ローマなどからドゥヴロヴニクに飛びましょう。
イタリア諸都市からのフライトは曜日が限られているため、都合の良い旅程になるように検討が必要です。

ドゥヴロヴニクからコトルまでは陸路で片道100km、2時間ほどです。
BUS CROATIAで事前にチケットを買うこともできますし、ドゥヴロヴニク発の日帰り往復ツアーも多いです。

3. ギャラリー

コトルは城壁に囲まれており、門から入る必要があります。
門の中には1979年の地震で被害を受けながらも、ユネスコなどの協力を得て復興した旧市街が広がります。
それほど広くないので、徒歩で回れる範囲で観光ができます。

コトルはクルーズが盛んなアドリア海に面しているため、城壁の外にはクルーズ客船が停泊しています。
東欧などスラヴ世界で初めてとなる航海士養成学校がコトルに作られたという歴史と関係しているのかもしれませんね。

ローマ属州であった時代から東ローマ帝国や第一次ブルガリア帝国の支配を経て、コトルは15世紀前半にヴェネツィアの支配下に置かれました。
コトルはヴェネツィア領としてオスマン・トルコに対抗するための前線となりましたが、16世紀と17世紀にそれぞれ30~40年ほどオスマン・トルコに支配されました。
それでも、18世紀末まで支配したヴェネツィアが影響は大きく、街並みにはその影響残っているとされます。

聖トリプン聖堂は、コトルの守護聖人トリプン(トリフォン)を祀るロマネスク様式のカトリック教会です。
12世紀に建てられた基本部分と17世紀に建てられた塔からなります。
中には9世紀にヴェネツィアの商人が運び込んだ品物も納められています。

コトル旧市街の背後である東側には標高1,749mのロヴツェン山がそびえます。
西側は湾に面し、さながら天然要塞です。

ロヴツェン山は徒歩で登る事ができますので、是非行くことをお勧めします。
自身が行ったのは2014年8月ですが、日差しが強烈なので必ず水分の携行をしましょう。

中腹の救聖女教会まで20分ほど登ると、素晴らしい絶景が広がります。
教会は中に入ることができ、空気が冷たく座ることもできるので、簡単な休憩がとれます。

モンテネグロそのものを目的とした観光は多くないかもしれませんが、クロアチアから日帰りで行けるアクセスの良さは魅力です。
クロアチアのアドリア海沿いにある世界遺産スプリットやシベニク、トロギールなどと併せて訪れることが可能です。

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