世界遺産紹介 (22) 古都ルアン・パバン

世界遺産は1,000件を越え、『顕著な普遍的な価値』があると認められた人類共通の遺産です。
その中から、自分が訪れた遺産をご紹介します。

今回は古都ルアン・パバンです。
最近では特にアメリカやヨーロッパからの観光客に人気が高く、一方で日本人にとっては行きやすいという穴場です。

【目次】
1. 遺産の概要
2. 遺産までの行き方
3. ギャラリー

1. 遺産の概要

遺産名 :Town of Luang Prabang(古都ルアン・パバン)
登録年 :1995年
保有国 :ラオス
遺産区分:文化遺産
登録基準:(ⅱ)価値観の交流、(ⅳ)人類史上代表的段階の建築・技術や景観、(ⅴ)伝統的集落や土地・海上利用または人類と環境の交流

2. 遺産までの行き方

日本からラオスまでの直行便はありません。
そのため、まずはベトナムやタイなど近隣の国を目指すことになります。
お勧めはベトナムのハノイで、日本国内の様々な主要空港から便が出ています。

ハノイからルアン・パバンまでは国際線で1時間程度の距離です。
ハノイはベトナム北部、ルアン・パバンもラオス北部であるためお互いの直線距離は400kmほどしかありません。

ルアン・パバン空港からはバイクタクシーなどで歴史地区に向かいましょう。
空港から市街までは近く、値段も安いです。

3. ギャラリー

ルアン・パバンはランサン王国に栄えた仏教寺院が多く残る街です。
最も代表的な寺院はワット・シェントーンでしょう。
その重なりあった独特な屋根はルアン・パバン様式と呼ばれます。

ルアン・パバンはもともとシェントーンと呼ばれ、現在の国名の由来でもあるラオ族の統一国家が14世紀中頃に成立した際、初代王のファーグムが都とした場所です。
16世紀に首都が現在と同じビエンチャンに遷都されるにあたり、シェントーンはルアン・パバンに改称されました。
この旧称が現在のルアン・パバンの寺院名にも残っているというわけです。

このワット・シェントーンも、14世紀に建てられたものです。

現在のラオスは、19世紀から20世紀にかけてフランスの植民地でした。
そのためで、フランスの影響を受けた建造物が残るという点もルアン・パバンの世界遺産としての価値に含まれます。

街は広くないながらも、東南アジアの街としては古い街並みが比較的よく保存されていると思います。

基本的には観光客でも寺院に入ることは可能です。
靴を脱いで絨毯張りの指導に入りますが、だいたいの場所に扇風機も設置されているため、避暑としてのありがたみもあります。

一部の寺院以外は無料ですが、今後の観光客の数の動向などによっては変わるかもしれません。

ランサン王国の成立からまもなく、14世紀なかばには隣国のアンコール朝から上座部仏教が伝わりました。
上座部仏教はランサン王国の国教とされ、アンコール朝との間には経典や僧が行き交ったといいます。

18世紀にはルアン・パバンはランサン王国からの独立をし、その後はタイの支配下に置かれるなど過程で、ルアン・パバンは荒廃しました。

ルアン・パバンの街の南にはプーシーの丘は高さ150mほどで、頂上まで登ることができます。
丘から北を眺めるとメコン川に囲まれたルアン・パバンの市街が、南側にはナム・カーン川と背後の山々が広がっており、特に夕景の名所とされます。

時間がなければハノイから日帰可能ですし、または1泊して早朝の托鉢見学も良いでしょう。
他の東南アジア諸国に比べると観光客が少なく、素朴な雰囲気が残っています。

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