世界遺産紹介 (3) イスファハーンのイマーム広場

世界遺産は1,000件を越え、『顕著な普遍的な価値』があると認められた人類共通の遺産です。
その中から、自分が訪れた遺産をご紹介します。

今回はイスファハーンのイマーム広場です。
16世紀末から拓かれ、イランの真珠と呼ばれるほどに発展した壮大な広場で、当時は王の広場と呼ばれていました。
1979年のイラン・イスラム革命以降に現在の名称で呼ばれるようになりました。

【目次】
1. 遺産の概要
2. 遺産までの行き方
3. ギャラリー

1. 遺産の概要

遺産名 :Meidan Emam, Esfahan(イスファハーンのイマーム広場)
登録年 :1979年
保有国 :イラン
遺産区分:文化遺産
登録基準:(ⅰ)人類の傑作、(ⅴ)伝統的集落や土地・海上利用または人類と環境の交流、(ⅵ)歴史上重要な出来事や思想等に関連するもの

2. 遺産までの行き方

まずはドバイやイスタンブールなど中近東方面の主要都市からイランの首都 テヘランに向かいます。

テヘランからは国内線で、イスファハーンまで航空機で1時間未満です。

3. ギャラリー

広場の西側に位置するアーリー・カプー宮殿のテラスから眺めた広場の北側の景色です。
アーリー・カプー宮殿は、15世紀に建てられたティムール朝時代の宮殿を、16世紀初頭に興ったサファヴィー朝5代皇帝のアッバース1世らが増築したものです。
内部は音響を考慮し楽器型にくり貫かれた穴を多数持つ壁などの装飾にあふれています。

同じく南側の眺めですが、訪れた2010年末は一部改修中でした。
壮大な4基のミナレットを持つイマームモスクは、アッバース1世の命で1630年代に完成しました。
モスクの入り口とドームの間の中庭はイマーム広場とは角度がずれて斜めになっています。
メッカの方角に合わせるためです。

イマームモスク入り口です。
このような大きな窪みをイーワーンと呼びます。
上部にはスタラクタイト(鍾乳石)をモチーフにしたムカルナスと呼ばれる美しい装飾で覆われています。

広場は東西約160m、南北約510mの大きさを持っています。
向かって右手はアーリー・カプー宮殿、正面はイマームのモスクです。
向かって左手には、その繊細さから『女性のモスク』と言われるシャイフ・ロトフォッラー・モスクが見えます。
シャイフ・ロトフォッラー・モスクは内装・外装ともにモザイクタイルで覆われ、イランで最も美しいモスクとされています。

夜になると周辺の回廊がライトアップされます。
イマーム広場が栄えた17世紀、周囲の回廊では様々な商材が扱われ、『イスファハーンは世界の半分』と謳われました。
現代ですら、その壮麗さには圧倒されます。

サファヴィー朝はシーア派として、スンニ派のオスマン帝国と対立したため、ヨーロッパの国々はサファヴィー朝と友好関係を結びました。
ヨーロッパにとっては絹が魅力的だったということもあり、イスファハーンの名はこの時代のヨーロッパにも広く知れ渡ったとされています。

広場の北側にあるカイセリーヤ門をくぐると、バザールの回廊に入ります。
まるで映画のような商店が並び、9世紀以降に建造されたマスジェデ・ジャーメまで続いています。
マスジェデ・ジャーメも別物件として世界遺産に登録されています。

16世紀前半に造営されたイスファハーンは、数十年という短期間で造営されたとは思えぬ輝きを放っています。
どうしても危険という漠然としたイメージが付きまとうイランですが、人々は温かく、安全です。

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