世界遺産紹介 (21) ティカル国立公園
世界遺産は1,000件を越え、『顕著な普遍的な価値』があると認められた人類共通の遺産です。
その中から、自分が訪れた遺産をご紹介します。
今回はグァテマラのティカル国立公園です。
世界で最も早く複合遺産として登録された世界遺産です。
【目次】
1. 遺産の概要
2. 遺産までの行き方
3. ギャラリー
1. 遺産の概要
遺産名 :Tikal National Park(ティカル国立公園)
登録年 :1979年
保有国 :グァテマラ
遺産区分:複合遺産
登録基準:(ⅰ)人類の傑作、(ⅲ)文化的伝統・文明の証拠、(ⅳ)人類史上代表的段階の建築・技術や景観、(ⅸ)生態系、(ⅹ)生物多様性
2. 遺産までの行き方
日本の主要空港からロサンゼルスへ行きましょう。
代わりにニューヨークやマイアミ、ワシントンD.Cなどのアメリカ主要都市もしくはメキシコシティでも良いです。
ロサンゼルスからグァテマラシティまでは5時間程度のフライトです。
グァテマラシティからは国内線でフローレスまで向かいます。
なお、フローレスは国際空港でもあり、近隣のベリーズシティから国際線が飛んでいます。
フローレス空港から車で1時間強でティカルに到着です。
グァテマラシティから日帰りツアーもあり、その場合は空港まで迎えが来ています。
3. ギャラリー
マヤ文明圏に位置するティカルに人が定住し始めたのは、先古典期の紀元前10世紀頃とされています。
黒曜石や翡翠の取引で富を蓄えながら人口が増え、1世紀末にショーク王によりティカル朝が成立しました。
4世紀頃からはイチャク1世のもと、メキシコ中央部のテオティワカン文明との交易により、テオティワカン文明の影響を受け始めます。
この流れは、4世紀後半にテオティワカンの将軍カックがティカルを征服し、テオティワカンの王族がティカルをも支配するようになると強まりました。
その影響の強さは、この時代からの出土物によく見ることができるようです。
球戯場からは右手から1号神殿、北のアクロポリス、2号神殿が一度に見渡せます。
これらが面する広場がスペイン語で大広場を表すグランプラザと呼ばれる通り、西洋人による再発見は17世紀末に迷い込んだスペイン人宣教師によるものでした。
迷い込んだ西洋人や現地人によって忘れ去られていた遺跡が再発見されるケースは多いですね。
6世紀から7世紀にかけては北部のカラクルムとの抗争が続きました。
カラクルムもマヤ文明の都市で、メキシコの世界遺産(複合遺産)です。
1号神殿は大ジャガー神殿とも呼ばれており、最上部の方形段にある神殿入口にジャガーの彫があるため、そのように呼ばれています。
カウィル王を埋葬するため、8世紀前半に建造されたものです。
マヤのピラミッドの特徴である階段様式がよく判りますが、残念ながら上にのぼることはできません。
その後、9世紀にティカルは衰退期に入ります。
900年はマヤ文明圏において古典期から後古典期への移行期であり、多くのマヤ都市が放棄された時期です。
その理由ははっきりしませんが、人口増意よる環境悪化が要因とされているようです。
4号神殿はティカルで唯一登ることができる神殿で、頂上までは木造と石の階段で向かいます。
この神殿も8世紀に造られたものです。
頂上からは密林から顔をのぞせる神殿が見え、修復中の3号神殿もそのうちの1つです。
ジャングルの中に点在する神殿ピラミッドが高い位置から見られる場所は珍しいと思います。
首都グァテマラシティから日帰りもできることも、お勧めできる点です。