クウェート旅行記 クウェート市内の乗継観光(2019年1月)

2018年末から2019年始にかけてエジプト~クウェート~レバノン~キプロスを周遊しました。
エジプトのルクソールの観光を終え、レバノンの首都ベイルートへ向かいます。
ルクソールからベイルートの直行便はありますがクウェート経由で向かうことにして、クウェートでの乗継時間が長くなる便を取って観光をしました。

【目次】
1. クウェート基礎情報
2. クウェートへ
3. クウェート市内観光

1. クウェート基礎情報

人口  :389万人
面積  :17,818平方キロ
首都     :クウェート
公用語:アラビア語
時差  :UTC+3(日本から6時間マイナス)
通貨  :クウェートディナール(KWD)
レート  :KWD1=JPY363.71(2019年2月17日時点)
ビザ    :日本人は滞在日数が3ヶ月以内であれば空港でビザ取得可能(2019年2月時点)

 

2. クウェートへ

12月31日(月)、21時前にエジプトのルクソール空港に到着し、Air Arabia Egyptのチェックインをした。
カウンターの係員は誰も、ルクソールからクウェートに行く日本人の対応をしたことがなかったため、ビザの必要性などの確認で10分ほど待たされた。
事前に自分ではクウェート到着後にビザの取得が可能であることは調べてあり、その旨の説明はしたが、航空会社としても納得の行く理解をしておきたいようだった。

その後、発券は無事にされたものの、出国審査がまだ開いていない。
審査場近くで座って待っていたが、ルクソールからクウェートに向かう日本人が珍しかったのか、3人くらいから話しかけられた。
なお、国際空港の割には余ったEGPの両替所が存在せず非常に困ったため、ルクソールから国際線に乗る場合は市内での両替が必須となるので注意をした方が良い。

出国審査ではなぜクウェートに向かうのか聞かれ、観光と答えるも、具体的に何を見たいのかと聞かれて答えに窮した。
クウェートタワーなどが見たいとごまかしたのだが、クウェートに着いてから10時間もしないうちにレバノンに向かう旅程を見た審査官からは『クウェート観光にしては短いなど』と言われ、審査の手が止まった時は焦った。
『短時間でも色々な国に行きたい』と説明して結果的には事なきを得たが、思いのほか時間がかかった。

ルクソール発~クウェート行の便の搭乗は予定よりも30分以上遅れて24時前になったため、機内で出発を待つうちに1月1日(日)に変わってしまった。
エジプトという場所柄だけではなく機内ということもあり、特に何らかのアナウンスがあるわけでもなく粛々と年越しの瞬間は過ぎた。

ルクソール発は遅延したものの、クウェート着は出発から2時間後の早朝3時過ぎだった。
到着も遅れれば着ないで眠れたはずなのだがむしろ予定より早かったため、完全徹夜のままにクウェートに到着。

クウェートに到着したものの、徹夜で体が疲れていてすぐに動けなそうだったので、食事と休憩を兼ねて空港内のWendy’sに1時間くらいいた。
ちょっとしたセットでKWD4(約1,450円)くらいだが、額面上の数字が小さいので、特にクレジットカードでの支払いだと使っている気がしないところが怖い。

その後、空港のビザ発行窓口に向かった。
まずは入ってすぐの機械で到着ビザ発給待ちの番号を発券してもらう必要がある。

その脇にあるビザ申請書を取って書いていくのだが、宿泊場所を書かなくてはならない。
近くにいた係員に、早朝3時着から昼12時発の乗継時間で観光をしにきたと伝えると、宿泊せずホテル予約がない場合は到着ビザが発行できないと言う。

いくらクウェートそのものに興味がないとは言え、これには困った。
徹夜でここまで来た以上は何とか入国したいため、『今からホテルを予約すれば入国できるのか』と聞くと、係員から少し待っているように指示された。
3分ほど待つと係員が再び現れ、ビザ申請書のホテル欄にはクラウンプラザホテルと書くよう指示された。

これで申請書は埋まりビザ申請ができる状況にはなったが、現地通貨を持っていないことを伝えると係員が現地通貨を引き出せるATMまで一緒に来てくれた。
最初に連れて行ってもらったATMでは何故か引き出しができず、次の場所ではできた。
同じATMなのに反応が違うのは理解ができない。

ついて来た係員はKWD5(約1,820円)を出すように言われた。
ビザ申請代KWD3(約1,090円)と、ホテルの書き方の指示などをしてくれた係員へのチップKWD2(約730円)という内訳。
クウェートのような産油国で、国際空港でビザの発行をしている職員が入国審査を穏便に済ませるためにチップを要求することに呆れはしたが、無事に審査を受けられる状況になって安心した。

審査を済ませると、ビザが発給された。
パスポートにビザ印を押したりシールを貼るタイプではなく、A4サイズの紙が渡された。
あまりに大きくて、これはとても不便。

ビザを受け取っても、しばらく椅子で待っているように指示された。
ところが、1時間ほど待っても一向に係員から呼ばれる気配が無く、朝日が昇ってきてしまった。
こうして、2019年の初日の出はクウェートのビザ発給所で拝むこととなった。

あまりに呼ばれないので再びカウンターに状況を尋ねに行くと、ビザにもう1つ判子を押され、入国審査場に向かうように指示された。
一体何の待ち時間だったのだろうか。

今後クウェートに行かれる方は、宿泊場所が無い場合はビザ申請書にクラウンプラザと書くこと、ビザを受け取った後に待つように指示をされても言われた通り待つのではなく積極的に判子をもらいに行くことをお勧めしたい。

3. クウェート市内観光

早朝3時過ぎに到着したクウェート空港だが、空港内での休憩だけでなくビザ発給にも2時間以上要し、朝7時過ぎにやっと空港の外に出ることができた。
空港に出るとタクシー乗り場があったので、市内中心部のモスクまで行ってほしいと伝えた。

ところが英語がほとんど通じず、通訳代わりに出てきたボスのような男も『1時間あたりKWD10(約3,630円)で4時間の貸切で市内を回らないか』とこちらの希望はお構い無しに提案をしてくる。
事前の調査で見るような場所がほとんどないことは解っているし、そもそも数少ない見所を見ている間のタクシー待機で高額な料金が発生することと同義である提案はとても受け入れ難く、丁重にお断りをした。
なんとかKWD8(約2,910円)で市内のグランドモスクまで行ってもらえることになったが、ATMから引き出した紙幣の最低額がKWD10だったので、事前にボスに釣のKWD2(約730円)は貰えるのか聞くと『ドライバーは持っているからとにかく乗れ』という。

このまま乗って目的地まで行ってしまうと、英語のわからないドライバーにKWD10(約3,630円)を全額取られて釣りが貰えないと確信したので、ドライバーが乗り込むなりドライバーにKWD2(約730円)を持っているか確認した。
予想通り、ドライバーは釣の少額紙幣持っていなかったので、タクシーの外でボスと両替させた。
原油価格の下落云々はさておき、産油国にも関わらず本当にせこいと思う。

本来は現地通貨の1や2でうるさくは言いたくないのだが、クウェートは1通貨単位の価値が世界で最も大きい通貨として知られる。
KWD1はUSD3以上の価値があるため、KWD札は1/4や1/2といった分数の札が発行されている。
それくらい価値が高い通貨なので、『たかだか2KWDの釣なので要らない』というわけにもいかない。

タクシー乗車20分ほどでグランドモスクに到着。

事前に英語の通じるボスにはグランドモスクと伝えていたはずがタクシー運転手には伝わっておらず、しかも運転手にはグランドモスクという言葉が通じず、難儀した。
『マスジド』でも伝わらず、最終的には地図アプリを見せないと理解されなかった。
おまけに降車時にはKWD10(約3,630円)を請求されたが、そこは事前に約束していたKWD8(約2,910円)で通した。

モスクは、中に入れることは期待していなかったが、そもそも完全に閉じられている様子。

海沿いの大通りArabian Gulf Streetを西へ、博物館に向かって歩き出した。

街中には多くの近代ビル郡が並んでおり、少なくとも遠目には四半世紀以上前の湾岸戦争の傷跡は一切見えない。
1990年1月に勃発した湾岸戦争当時、自分はまだ小学生だった。
リアルタイムで見聞きした初めての戦争で、夜間に飛び交うミサイルは花火のように感じられた。

途中、階段への落書きも見かけた。
クウェートの地でも落書きはアラビア語ではなくアルファベットらしい。

8時過ぎに国立博物館に到着したものの、開館は8時半からと言われた。
そのため外の椅子で8時半まで待ったのだが、8時半になると今度は9時まで待てとのこと。
理由は不明。

12時のフライトでレバノンまで向かわなくてはならない上、クウェートタワーにも行きたかったので国立博物館は諦めた。
2019年最初の来館者が日本人というのも面白かったのだが、時間がないので仕方ない。

クウェートタワーに向かうため、Arabian Gulf Streetを今度は東にひたすら歩いた。

よく整備された大通りの途中、海沿いには多くの伝統的な漁船が停泊していた。
数百はあろうかという船が狭い領域に密集しているため、岸辺の船は動く余地が全くないほど。
これらは現役で稼動しているようで、埠頭では獲れた魚の荷降ろしがされていた。
背景の高層ビル群と対照的な風景で興味深い。

国立博物館を出発して約1時間以上歩き、9時半にクウェートタワーに到着した。
電波塔や貯水等の役割があり、湾岸戦争よりも前から建っている。
うち1つには球形部分までエレベーターで上ることができ、料金はKWD3(約1,090円)。

球内部は2層構造で、階段で往来可能。
上層は自動回転床で30分ほどで1周する。
飲み物も売っていたが、缶コーラでKWD1(約360円)という金額のため、とても買う気にならない。
また、観光向けに解放している展望台の割にはガラスが非常に汚く、外の景色は煤けて見えてしまう点も非常に残念。

10時過ぎにクウェートタワーを出て、流しのタクシーを捕まえた。
数が決して多くないので、何らかのランドマークでないと拾いにくい印象。
空港までKWD10(約3,630円)を提示されたが、最終的にはKWD7(約2,550円)で折り合った。

ただ、途中の車内で空港のターミナル番号がどうとかでKWD8(約2,910円)だと言い出した。
当初と言っていることが違うと反論するも、英語がほとんど通じない。
それどころか車を止められた。

流しのタクシーは決して多くないので、不本意ながらKWD8(約2,910円)を支払うことにした。
こういったこともあり、クウェートの印象はあまり良くない。

空港でチェックインをする際、カウンターには日本語が非常によく話せる係員がいた。
愚痴めいてタクシーが料金的に面倒だったということを話すと、取られたKWD8(約2,910円)は空港と市内を結ぶ公定料金なのでおかしくはないという。

なるほど、つまり一旦は公定料金より安く折り合っておいて後から公定料金まで吊り上げられたわけだ。
言葉がお互いに通じないので意思疎通が十分できなかったが、それならそうと最初からKWD8(約2,910円)以下にはしないと言ってほしかった。

余ったKWDは空港で両替した。
1通貨単位が世界一高価値であることは前述の通りだが、なぜか最高額の札はKWD20(約7,270円)と金額が低い。
あまり現金で決済する文化がないのだろうか

飛行機は予定通り13時前に飛び立ち、14時半頃にレバノンのベイルートに到着した。

 

 

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