世界遺産紹介 (4) クスコの市街

世界遺産は1,000件を越え、『顕著な普遍的な価値』があると認められた人類共通の遺産です。
その中から、自分が訪れた遺産をご紹介します。

今回はクスコの市街です。
マチュ・ピチュへ行く列車が出ているため、マチュ・ピチュとセットで訪れる方も多いと思います。
郊外までの観光であれば数日必要ですが、クスコの市街だけであれば1日で十分に回りきれます。

【目次】
1. 遺産の概要
2. 遺産までの行き方
3. ギャラリー

1. 遺産の概要

遺産名 :City of Cuzco(クスコの市街)
登録年 :1983年
保有国 :ペルー
遺産区分:文化遺産
登録基準:(ⅲ)文化的伝統・文明の証拠(ⅳ)人類史上代表的段階の建築・技術や景観

2. 遺産までの行き方

ヒューストンなどアメリカの主要都市から、ペルーの首都リマまで向かいます。

リマから国内線で約1時間のフライトです。

近隣諸国から直接国際線でクスコに行くことも可能です。
ボリビアのラパスやコロンビアのボゴタからの便があります。

3. ギャラリー

クスコは、かつてペルーの公用語であったケチュア語で『へそ』を意味します。
13世紀初頭、太陽神インティの息子とされたマンコ・カパックは授かった黄金の杖が沈む場所に神殿を作るよう、インティから明示されました。
ここクスコで杖が吸い込まれたために神殿を築いたマンコ・カパックは、インカ帝国の初代皇帝として知られています。

但し、この時代はまだ帝国という様相ではなく都市国家であったとされています。
15世紀の9代皇帝パチャクテク時代に周辺を征服し、帝国内を東西南北にスーユと呼ばれる地方へ4分割してインカ道も作るなど、インカ帝国の基礎が形づくられました。

町の中心部に広がるアルマス広場の周辺にはスペイン統治時代の教会が残っています。
広場の南西に面して建つラ・コンパーニア・デ・ヘスス教会は、11代皇帝ワイナ・カパックの宮殿跡にスペインが建てた教会です。

クスコは標高約3,400mの高地にあります。
更に標高の高いラパスからの便であればそれほど気にする必要がないのかもしれませんが、通常は海沿いのリマから国内線で来ることが多いでしょう。
急な気圧差による高山病を防ぐため、意識的に深呼吸をしましょう。

アルマス広場北東に面して建つカテドラルは、16世紀中盤から約1世紀をかけてスペインが建てたものです。
近くのサイサワイマン遺跡から切り出した石を用い、内部のキリスト像は長年のろうそくのすすによって黒く変色しています。

現在はサント・ドミンゴ教会として残るコリカンチャは、インカ帝国時代には太陽神神殿でした。
『コリ』は金を指し、コリカンチャには名前の通り多くの金が使われていました。
そのため、16世紀前半のスペインによる侵略の際に激しい略奪にあったとされます。

精巧な石組みはクスコの特徴として筆頭に挙げられるものです。
1532年にスペイン人ピサロの侵略以降も、石組みだけは破壊されずに教会などの建造物の土台として再利用されました。
『かみそり1枚通さない』とよく言われますが、実際にそれに近い素晴らしい組み込みになっています。

高度な石組みを象徴する12角の石です。
文字どころか鉄器や車輪も存在しなかったインカ文明ですが、敢えて複雑な形の石を用いた高度な建築技術を持っていました。
少し小さいですが、近くには14角の石もあります。

インカ帝国がスペインに抗戦するために立てこもったサクサワイマン遺跡などの周辺の遺跡に行く途中、高台からクスコの町が一望できました。
欧州などの『旧市街』と異なり、オレンジ色の屋根で統一された視界一杯に広がる町並みが素晴らしいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)