エクアドル旅行記 (2) エルチャト野生保護区とダーウィン研究所(2017年8月)
2017年8月にペルー~エクアドル~チリのルートを回りました。
ペルーではマチュ・ピチュ、エクアドルではガラパゴス諸島、チリではイースター島がメインで、南米太平洋側の周遊です。
今回はガラパゴス観光の後半となります。
【目次】
1. サンタクルス島(1日目) ②
2. サンタクルス島(2日目)
1. サンタクルス島(1日目) ②
8月15日(火)の夕方、サンタクルス島の別の海岸線の観光を終えてボートで市街地プエルトアヨラに戻った。
18時という時刻ながらも、かなり暗くなりつつある状況だった。
ガラパゴス諸島は南緯1度未満というほぼ赤道直下にあるため、1年を通して昼夜の時間帯がほとんど変わらない。
魚市場にはペリカンが何匹かいた。
市街地にもかかわらず人を恐れる様子は全くないが、動物の2m以内には近づいてはならないという現地の決まりがある。
夕方なので既に市場は閉まっていたが、まだ開いている昼の時間に来れば捌いた魚のおこぼれを狙ってもっとたくさんいるらしい。
夕食は、空港で出会った日本人から情報を頂いた屋台街に行くことにした。
詳しい場所を聞いていなかったのでかなり迷ったが、LDS Santa Cruz Branchという名のモルモン教会がある南北の通りJuan Montalvo(ファン モンタルボ)にあった。
通りの教会よりも南のエリア。
結果的に宿の目と鼻の先立ったが、探すまでに1時間くらい街をさまよってしまった。
道の両脇に屋台が何件も並び、中央部にはビニールシートの屋根をつけた簡易飲食スペースが設けられている。
まだ比較的早い時間だったので人が少なかったが、食事中には多くの人であふれかえるようになっていた。
店頭には地元で採れた海産物が並んでいる。
伊勢海老は大きさによって値段が変わり、USD20~30(約2,280円~3,420円)くらいのレンジ。
日本で同じものを食べたら3倍くらいするのではないだろうか。
食材を選ぶと、今度は調理法も自分の好みを伝える。
各店にはグリルが置いてあり、その場ですぐに調理してもらうことができた。
あちこちの店から海老やたこを焼く煙が立ちのぼる。
ガーリックシュリンプはUSD10(約1,140円)。
殻がついているのは面倒だが、ソースがたっぷりでおいしかった。
食べている最中、それまで何の前触れも無かったが雨がものすごい勢いで降ってきた。
屋根がある場所で食べたほうが良い。
伊勢海老のチリソース和えはUSD20(約2,280円)。
味が少し薄かったので”salt please”とお願いしたら追加のサルサソースが出てきてしまった。
隣に座っていた外人も、それは間違えたらダメでしょうという顔で苦笑いしていた。
タコのフライはUSD10(約1,140円)。
タコのグリルも同額で頼んだが、最もおいしかったのはフライの方。
味付けは塩でシンプルだが、大きくカットされていたのも良かった。
全般に、食事の選択肢が多くない上に世界中から観光客が訪れる場所というわりに、価格はとても良心的だと感じた。
食後の腹ごなしに少しだけ散歩し、埠頭に向かった。
サンタクルス島では夜に出歩くような場所もなく、最も人が来そうな埠頭ですら人がほとんどいない。
昼はツアー客でごった返しているのでいなかったが、夜にはアシカが何匹もいた。
彼らが上がれる高さの浮島で各々気に入った場所で寝ている。
2. サンタクルス島(2日目)
翌朝8月16日(水)、朝5時前に起きて急ぎ足でTortuga Bay(トルトゥーガベイ)に向かった。
トルトゥーガベイはスペイン語で『亀の入江』を意味する通り、海亀が多く孵化する場所として知られている。
それだけではなく、奥には海イグアナのコロニーもあり、世界で唯一のイグアナと一緒に泳ぐことができる浜辺らしい。
宿から10分くらいでベイ入口のゲートに着いたが、ゲートが開くのは6時だと書いてあり、人の気配もない。
ゲートまでの道は明かりが少なく用心しながら行ったが、さすがに場所が場所だけに危険を感じることは無かった。
同行した職場の後輩と話しながら時間を潰していると、6時過ぎには管理人がやってきてゲートを開けてくれた。
ビーチ奥のウミイグアナのコロニーまで往復5km以上ある上、次のツアーの迎え関係で7時45分までには宿に戻らなければならない。
急ぎ足で歩き、ゲートから30分程度で海に着いた。
トルトゥーガベイはトリップアドバイザーの世界のベストビーチ2017年版のベスト10に選ばれている。
しかし、この日は早朝の上に曇りがちであまり日が射していないこともあり、綺麗には見えなかった。
ビーチに入ってから西側の海イグアナコロニーまで走って往復したが、コロニーにはほとんど海イグアナはいなかった。
エルニーショの影響により海草が減り、海イグアナが激減しているというニュースは見ていたが、コロニーの海イグアナが少なかったのはその影響かどうかは定かではない。
コロニーまでの往復の間、浜辺で海亀の子供を見た。
近づくと既に死んでいたが、食べられた形跡も無かったので昨晩までは生きていたのかもしれない。
ビーチを端から端まで一往復し、駆け足で宿に戻りシャワーを浴びてチェックアウトすると、ちょうどツアーの迎えがやってきた。
理論上最大限の時間を活用し切った感がある。
宿に迎えに来たガイドと共に車でサンタクルス島中部のEL Chato(エルチャト)野生保護区に向かった。
ここは野生状態でガラパゴスゾウガメが暮らしていることが特徴で、池には多くのゾウガメが群れていた。
草原にも草を食むゾウガメがおり、極端に近づかない限りは警戒されることもない。
甲羅の骨格も触れる状態で展示されており、担いでみたがとても着て動けるような重さではなかった。
エルチャト保護区の後は再び市街地まで戻り、チャールズダーウィン研究所を訪れた。
ガラパゴス諸島の各島のゾウガメを飼育しており、その微妙な違いを観察することができる。
草が多いここサンタクルス島ではドーム型の甲羅だが、草の少ないエスパニョラ島では頭を高くもたげやすいように反り返った鞍型となる。
2012年にピンタ島の最後のゾウガメ『ロンサムジョージ』が死んだ際には大きく報道された。
そもそもガラパゴスとはスペイン語で馬の鞍を表す『galápago』に由来している。
ゾウガメの甲羅がそのように見えたためで、本来の島々の名前であるコロン諸島よりも圧倒的に名が知られている。
コロン諸島もコロンブスに由来するため、由緒ある名前ではあるのだろうが結果的にはほとんど知られていない。
ガラパゴス諸島は『Galápagos Islands(ガラパゴス諸島)』として世界遺産登録されている。
水中の多様な生物や地形が登録基準(ⅶ)優れた自然美を、海底で3つのプレートが衝突して生じた若い島々で起こる地形学的過程が登録基準(ⅷ)地球の歴史の主要段階を示す見本を、フィンチやゾウガメなどにみられる現在も続く適応放散の事例であるとして登録基準(ⅸ)生態系、世界唯一の海イグアナも含む様々な動植物が登録基準(ⅹ)生物多様性の登録基準を満たしている。
文字通り駆け足でダーウィン研究所を回り、外でタクシーを捕まえてつい前日に1日前に渡ったイタバカ海峡のフェリー乗り場に向かった。
往路と同じくフェリーにUSD1(約114円)を支払い、てサンタクルス島から空港のあるバルトラ島に戻った。
リマでのフライトトラブルで1日無駄に消費してしまったためにガラパゴス滞在は1日短くなった。
そのためダイビングが犠牲になってしまったが、来られただけでも良かったと思う。
下手をすると一生来ることができないというケースもままあるのだから、と納得させた。
ここからは最大の山場である3ヶ国またぎの飛行機4連戦が続く。
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